“3S”とは?
皆さん、ベッド業界の「3S」という言葉をご存知でしょうか。
ベッドの本場アメリカでは、「サータ」「シモンズ」「シーリー」の3つは、3大有名ブランドとして「3S」と呼ばれています。奇しくも、すべて頭文字が「S」で始まるからです。
本日は、この「3S」について、少し見てみたいと思います。
サータ(Serta)
サータ社は、1931年にアメリカで設立された老舗メーカーです。「より快適な眠りと、健康の追求」というコンセプトのもと、高品質なベッドを製造・販売しています。
「サータ」は、独自の「羊」のキャラクターでも有名です。かつてはトランプ元大統領をCMに起用する等、知名度では全米トップと言って良いでしょう。
日本国内では、広島に本社を置くドリームベッド社が、長年「サータ」とのライセンス契約を締結しており、広島県内にあるサータ工場で製造を行っています。日本国内では、「サータ」のベッドは全てドリームベッド社製です。
サータは、オートクチュール発想に基づき、多種多様な寝心地のラインナップが特徴です。
シモンズ(Simmons)
シモンズ社は、1870年にアメリカで設立された老舗ベッドメーカーです。「世界のベッド」というキャッチフレーズでも知られています。
シモンズは特にポケットコイル技術を使ったマットレスで知られており、個々のコイルが独立して動くことで、体にフィットし、動きを吸収することで快適な睡眠を提供します。
シモンズの代表的な製品には、「Beautyrest」シリーズがあります。
日本国内では、もともと東京ベッド製造という会社で神奈川県に工場がありましたが、現在は、静岡県内にあるシモンズ工場で製造を行っています。
シーリー(Sealy)
シーリー社も有名な老舗ベッドメーカーで、1881年にアメリカのテキサス州シーリーという町で創業され、長い歴史を持っています。シーリーは、高品質なマットレスと寝具製品を提供することで知られています。
シーリーの代表的な製品ラインには、「Sealy Posturepedic」シリーズがあります。このシリーズは、脊椎をしっかりとサポートし、快適な睡眠を提供するために設計されています。また、シーリーは独自の技術を駆使し、快適さと耐久性を両立させたマットレスを提供しています。
日本国内では、もともと、すずらんベッドという会社でしたが、現在はスリープセレクトという社名で愛知県内にあるシーリー工場で製造を行っています。
テンピュール
これら3Sに加えて、米国の有名なマットレスメーカーに「テンピュール」というブランドがあります。
特に高密度のメモリーフォーム(記憶泡)を使用したマットレスで、日本でもよく知られています。
このメモリーフォームは、NASAが宇宙飛行士の座席用に開発した技術を基にしており、体圧を分散し、個々の体形に合わせてフィットする特性があります。
シーリー+テンピュール
現在、「シーリー」と「テンピュール」は、どちらも、「テンピュール・シーリー・インターナショナル」という会社の傘下にあります。
この「テンピュール・シーリー・インターナショナル」は、「テンピュールペディック・インターナショナル」と「シーリー・コーポレーション」の合併により設立されました。この合併により、同社は世界最大級の寝具メーカーのひとつとなり、広範な製品ラインを提供しています。
テンピュールは主に高密度の記憶泡(メモリーフォーム)を使用したマットレスで知られており、一方、シーリーはポスチャーペディック(Posturepedic)技術を活用したマットレスで広く認知されています。両ブランドは、それぞれの強みを活かしながら、幅広い消費者のニーズに応える製品を提供しています。
サータ+シモンズ
一方、日本ではあまり知られていない業界ニュースですが、「サータ」と「シモンズ」という2大マットレスブランドが合併してできた企業に「サータ シモンズ べディング」という会社があります。
この合併により、「サータ」と「シモンズ」は、独自のブランドとして製品を提供し続ける一方で、共同で研究開発を行い、製造プロセスの効率化や新しい技術の導入を図っています。
「サータ シモンズ べディング」は、北米最大のマットレスメーカーのひとつとして、多様な製品ラインナップを提供し、消費者のさまざまなニーズに対応しています。
日本では、「サータ」と「シモンズ」は別々の会社・ブランドとして、従来からライバル関係にありますが、本場米国では、「サータ」と「シモンズ」の両ブランドが統括され、それぞれのブランドの価値を維持しながらも、共同で業界をリードする存在となっています。
まとめ
以上のようなことから、現在アメリカのベッド業界では、ベッド業界での生き残りをかけて、「テンピュール + シーリー」 vs 「サータ + シモンズ」という大きな流れになっています。
市場シェアとしては、両陣営ともに広範な市場シェアを持ち、北米市場をはじめとする世界中で展開していますし、各社ともに独自の技術を駆使し、快適さとサポート力を重視したマットレスを提供しています。
また、それぞれのブランドは長い歴史と高い信頼性を持ち、多くの消費者に支持されています。
それぞれの企業が持つブランドと技術が、消費者に多様な選択肢を提供し、業界全体の競争を活性化させているといえるでしょう。
ただ、業界の流れ・潮流は常に変化しています。今後、どのような変化が起きるか、ベッド業界再編がおこなわれていくのか、注視していく必要があるでしょう。
最後までご覧いただき有難うございました。
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