ホテルや旅館に宿泊した際、家庭とは違う、独特のベッドカバーや寝具によるベッドメイク方法がなされているのを見たことがありませんか?
こんな感じで・・・
足元が巻き込まれていたり・・・
上に帯状のライナーが掛けられていたり・・・
これは、いわゆる「デュベ」というスタイルで、ホテルならではの特徴的なベッドメイキングです。
では、このデュベスタイルとは、一体どんなもので、なぜ流行してきたのかをみていきましょう。
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従来のホテル旅館のベッドカバーは?
それでは、まず、このデュベが流行するようになる以前は、どんなベッドメイキングがホテルで主流であったかをみてみましょう。
- ボックスタイプ
「ボックスタイプ」は、ベッドの足元まですっぽり覆う、箱型の羽毛ベッドカバーです。基本的には日本の宿泊施設だけに見られるスタイルで、これは、簡単にいうと、従来の日本旅館の和布団が、ベッド用として、背が伸びて高くなったというイメージのスタイルです。
- フリルタイプ
「フリルタイプ」は、上記の「ボックスタイプ」の四方周囲がフリルになったタイプです。
これら「ボックスタイプ」や「フリルタイプ」も、まだまだ人気は高く、導入されている客室は現在でもたくさんあります。また、その他にも、いくつかの似たスタイルはありますが、従来のホテルでは、このようなスタイルが主流でした。
- お布団タイプ
こちらは、まさに従来の旅館型のお布団ですね。ベッドの空間と比較して、当然ながら、高さが低めの就寝空間になります。
外国人観光客の増加 ~ 和モダン化
日本が推進する政策のひとつ「観光立国」は、国内の観光資源を整備して国内外からの観光客を誘致し、観光による経済効果を経済のひとつの基盤にしようという施策です。
日本が外国人にアピールするホテルや旅館の客室のインテリアの特徴としては、やはり「和」ですね。「和」の就寝空間は、従来は、ホテルにおけるベッドの高さよりも低い、旅館のお布団程度の高さでしたが、外国人観光客や、あるいは高齢者の方々が就寝しやすい高さの空間としては、その中間的な、和洋折衷的な高さが「和モダン」としてデザイン的にもスタイリッシュであり、人気を得る様になってきました。
外国人観光客にアピールできる「和」のテイストを感じさせながら、ベッドよりも低めで、かといって、布団よりも高めで、尚且つ、布団だけの寝具よりも寝心地が良いという、厚めのホテルマットレスだけの就寝空間、あるいは、ベッドのボトムの脚部だけを外した空間というのが結構見られる様になってきたのです。
デュベの特徴
デュベでは、前記の、「ボックスタイプ」や「フリルタイプ」の、ベッド全体をすっぽり覆うベッドメイキングと異なり、マットレスだけがベッドメイキングの対象になります。通常は、マットレスの足元で下に巻き込むようにしてベッドメイクしますので、ベッドの下のフレーム(ボトム)部分は無くても良いのです。
そのベッドメイキング手法から、「和モダン」な空間には最適で、「ホテル」でも「旅館」でも、導入でき、その中間の「和モダン」な客室でも採用できるのです。
アッパーシーツが不要
シーツには、マットレスをくるんでメイクする「メイキングシーツ」や「ボックスシーツ」などがありますが、寝た時に身体の上側にくるシーツを「アッパーシーツ」とか「トップシーツ」等と呼んでいます。上記の「ボックスタイプ」や「フリルタイプ」の羽毛ベッドカバーの場合は、布団が直接身体に触れて汚れないよう、羽毛ベッドカバーと身体の間に「アッパーシーツ」を使ってベッドメイキングしています。(画像の、襟元に少し見えている部分がアッパーシーツです)
しかし、「デュベスタイル」の場合、外側の「デュベカバー」を取り外して交換が出来ますから、「デュベカバー」が「アッパーシーツ」の役割も果たしますので、「アッパーシーツ」は不要になります。寝た時に、身体の上にくるのは、この「デュベ」のみになるのです。
ベッドメイクの利便性~業務負担の軽減
ホテル旅館では、ベッドメイク担当者が、一部屋当たりにどの程度ベッドメイクの時間がかかっているか、なんていうのも、ひとつの業務の効率化の指標になっています。
「デュベ」のスタイルでは、最初、慣れるまでは少し時間がかかりますが、慣れると、アッパーシーツをセットする必要もありませんので、従来型の「ボックスタイプ」や「フリルタイプ」よりも早くベッドメイクすることができます。
さらに、旅館の場合、これまで重労働とされてきた、日々のお布団の上げ下げが不要となりますので、客室担当者の体や腰への負担もかなり軽減されます。
毎日お布団を押入れから出して畳の上に敷いたり、腰をかがめてメイクして、終わると回収したり布団を押入れに押し込んだり・・・という作業は、結構な重労働でしたので、施設の経営者側からすると、従業員の負担を少しでも減らすというメリットもあります。
デュベの構造
では、デュベの構造を見てみましょう。デュベには大きく分けて二種類あります。それは、端的にいうと、「足元を巻き込む」か、「足元を巻き込まない」か、の違いです。
- 足元を巻き込むタイプ
やはり、人気が高いのはこちらです。マットレスの足元を巻き込むようにしてベッドメイキングしますので、パリッと、しっかりとメイクできますので、お客様が客室に最初に入ってきた時、「ベッドメイキングが仕上がっていますよ」という、無言の表現にもなっています。
・構造
外側の「デュベカバー」は封筒式で、片側がオープン(開口)になっていて、裾が大変長くなっています。その裾のオープンになったところから、中の羽毛インナー(お布団)を、縦方向に出し入れします。
そして、裾のとても長くなっている部分を、マットレスの足元の下に巻き込む様にしてベッドメイクするのです。デュベカバーの上部の左右両サイドには手出し入れ口がありますので、そこから中の羽毛インナー(お布団)を引き上げる様にして整えると、とてもベッドメイクがし易い構造になっています。
・メリット
パリッと綺麗にベッドメイキングできる
寝ている間にお布団がズレ落ちにくい
・デメリット
足元を巻き込んで整えるのに少し手間がかかる
足元を巻き込んであるのが少し窮屈に感じる人がいる
- 足元を巻き込まないタイプ
お客様の中には、足元が巻き込んであるのが窮屈で嫌と言われる場合もあります。チェックインして客室に入った瞬間に見える「張りのあるベッドメイキング」という意味では、断然「足元を巻き込むタイプ」の方が綺麗ですが、実際にデュベに入って寝る段階では、足元の巻き込み部分を外して寝るというパターンが多いのが実情です。そのため、一度寝られた後の段階では、足元のデュベカバーが乱れて見苦しくなってしまうことがあります。
その点、「足元を巻き込まないタイプ」の場合は、通常の和布団の様に、足元は巻き込まず、ベッドの上からバサッと掛けるだけのスタイルです。
・構造
デュベカバーは中の羽毛インナー(お布団)とほぼ同じ大きさで、(若干カバーの方が大きめになります)、デュベカバーのサイド部分が切り口(開口)になっていて、羽毛インナー(お布団)は、そこから、通常の和布団の様に、横方向に出し入れします。そのため、この「足元を巻き込まないタイプ」は、通称「横入れ式」とも呼んでいます。
・メリット
足元を巻き込まないので、窮屈感がない
上から掛けるだけなのでベッドメイキングが簡単
・デメリット
デュベカバーの表面がシワになり易い
足元でとまっていないので、寝ている間に、ずれ落ち易い
オールシーズン仕様 中の布団を変えられる
デュベは、基本的に、季節には関係なく、オールシーズン仕様です。
ホテルや旅館の客室では、館内にエアコン・空調の関係で室温が年中ほぼ一定に保たれていることもあり、このデュベ(羽毛インナー + デュベカバー)のセットだけで宿泊のお客様はおやすみになられています。
ご家庭に導入の場合は、季節によって、またお部屋によっても温度差がありますので、デュベだけで寒く感じられます場合は、補助的に毛布等を使うことも可能です。(実際のホテル客室でも、予備で毛布等を客室のクローゼット等に置かれているホテルの事例も結構あります。)
デュベカバーの構造は、上記の通り、封筒式(あるいは横入れ式)ですので、中にお布団や毛布などをプラスすることも出来ます。これら補助的な寝具を、デュベカバーの中に追加でセットしたり、あるいは、デュベカバーと身体の間に使うと効果的です。
見た目のカッコよさ
デュベでベッドメイキングすると、寝室のデザインが、カッコよく、スタイリッシュに決まります。
たとえば、自宅に導入した場合、急な来客などで寝室を見られることがあっても、デュベでベッドメイクしていれば、寧ろ、みんなに自慢できるほどです。
ベッドスローとの相性が抜群
また、デュベの場合、清潔感の溢れる「白ストライプ」や「白格子柄(市松模様)」といった、白系のデュベカバーが人気がありますので、全体的にベッドが「白」のイメージになってしまいます。
もちろん、それだけでもスッキリしてとても綺麗なのですが、客室に独自性を出すために、その上に帯状の「ベッドスロー」を掛ける事例が多々あります。(「ベッドスロー」は、「ベッドライナー」とか「フットスロー」等とも呼びます。)
たとえば、そのホテルや旅館のコンセプトを表現したい場合、その「ベッドスロー」で、客室のオリジナリティを表すことが出来ます。たとえば、海に近いリゾートホテルですと、「ベッドスロー」を「マリンブルー」にしたり、旅館でしたら、「和風」とか着物の帯のようにしたり・・・。それにより、全体的に白っぽいデュベの全体的なベッドメイキングに、濃淡のコントラストをつけ、アクセントとすることも出来るのです。たとえば、ホテルの期間限定のコンセプトルームや、企業等とのコラボルームなどでもよく使われる手法なのです。
洋風ホテルだけじゃない 和風旅館でも
ホテルの洋室でなく、和風旅館の場合や、ホテルの和洋室の場合、あるいは、外国人観光客の多い施設ですと、デュベカバーの色は「白ストライプ」よりも「白格子柄(市松模様)」も多く採用されています。市松模様は、日本の「和」模様の代表といっても良いデザインですので、客室に少し「和」のテイストを醸し出したい場合、「白格子柄(市松模様)」は人気があります。
デュベの色柄は?
デュベカバーの色としては、上記の通り、「白ストライプ」や「白格子柄」が主流ですが、他にも、「白無地」や色物などもあります。
基本的に、「白ストライプ」や「白格子柄」や「白無地」のデュベカバーは、「T/C綿」という、綿とポリエステルの混織素材で、綿100と比較して、シワになりにくく、ベッドメイキングがし易いというメリットがあります。
一方で、「ブラウン」や「ワインレッド」などの色物のデュベカバーの場合は、基本的に表面がポリエステル素材で、肌の触れる内側は、やはり「T/C綿」等の肌触りの良い素材で縫製します。
ただ、デュベの色としては、圧倒的に「白ストライプ」「白格子柄(市松模様)」「白無地」が人気が高く、客室のデザインや施設側の意向によって、色物にされるケースも稀にあります。
まとめ
上記のようなことから、「デュベ」は、ホテルを中心に、旅館や色々な宿泊施設で導入されるようになってきたのです。もちろん、ご家庭でも導入可能です。
自宅の寝室をホテルや旅館みたいにしたいというかたは、この「デュベ」を、ぜひご検討なさってみては如何でしょうか・・・??
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◇ご参照 ホテル商品のご紹介
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和室ベッド デュベスタイル 旅館マットレス サータ
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