海外出張や海外旅行でホテルに泊まって、「日本の自宅よりよく眠れた」という人もいれば、「寝心地が好みでなくて寝づらかった」という人もいるでしょう。
日本のホテルと海外のホテルのベッドの寝心地は、確かに異なります。その理由は様々ですが、主な違いとしては以下の点が挙げられます。
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寝心地の好み
各国の人々の寝心地の好みは異なります。例えば、日本人は硬めのマットレスを好む傾向がある一方、欧米では柔らかいマットレスを好む傾向があります。このため、同じ世界的なベッドのブランドでも、その国によってマットレスの硬さが異なる場合があります。
たとえば、米国発祥の高級ブランド「サータ」の場合でも、米国内のホテルに納めるベッドは米国内のサータ工場で製造され、日本国内のホテルに納めるベッドは、日本国内のサータ工場(広島)で製造しています。これは、単に荷物を遠方に運ぶ運賃だけの問題ではなくて、米国民の好む寝心地と日本人の好む寝心地が基本的に異なるからです。
気候の違い
また別の要素として、各国の気候の問題もあります。日本は高温多湿な気候のため、湿気を吸いにくい素材や通気性の良いマットレスが好まれます。
一方、乾燥した地域や国では、保湿性のある素材が使用されることもあります。
文化の違い
各国の文化や習慣も寝具に影響を与えます。
たとえば、日本では、布団文化が根強く残っているため、日本のホテルでは、和の様式に近い、床に近い位置での就寝空間やベッド・マットレスの高さが好まれる場合も多くあります。
特に最近は、インバウンドの増加もあり、海外から訪れる観光客に対して、敢えて日本の文化を味わってもらいたいという思いから、日本の伝統的な要素を取り入れた「和モダン」スタイルの客室を提供する事例も多くなっています。
ホテルのグレードの違い
ホテルのグレードによってもベッドや寝具は大きく異なります。高級ホテルでは、高品質な素材を使用したハイグレードなマットレスや、ホテルオリジナルのベッドや寝具が用意されることもあります。
日本国内でも、外資系の高級ホテルが増えている昨今、客室のベッドマットレス寝具のグレードも以前より高くなっている傾向にあります。
日本のホテルのベッドの特徴
硬めのマットレス
日本人は硬めのマットレスを好む傾向があるため、多くの日本のホテルでは、しっかり感のある、少し硬めのマットレスが採用されています。
具体的に当サイト「一流ホテルのベッド」のラインナップでいうと、「ポケットハードタイプ」や「ライトブリーズピローソフトホテル」等が売れ筋商品となっています。
布団に近い就寝スタイル
布団文化の影響から、ベッドと和布団の中間的な要素を取り入れた、和洋折衷的なベッドやインテリア空間が好まれる傾向もあります。
日本文化への回帰が日本人のノスタルジーとして日本人の魂に安心感を与えるともいえるでしょう。
湿気対策
日本のホテルでは、高温多湿な気候に対応するため、上のマットレスも下部のボトムも、湿気を吸いにくい設計、大変通気性の良い仕様となっています。
ホテルの客室というのは、基本的に窓が開かない構造になっていますから、ベッドそのものが通気性の良い設計になっているのです。
具体的には、当サイト「一流ホテルのベッド」に掲載のマットレスには、エアレットという空気孔がどのグレードのマットレスにも標準装備されており、また、下部のボトム(「ボックススプリングボトム」や「スチールボトム」)においても、上のマットレスから受ける空気圧が周囲や底部から抜ける大変通気性の良い構造・設計となっています。
海外のホテルのベッドの特徴
柔らかいマットレス
欧米では、どちらかというと柔らかいマットレスが好まれる傾向があるため、ソフト感の高いマットレスがホテルでも採用されることが多くあります。
構造の違い
また、アメリカのホテルでは、ベッドの下にボトム(ファウンデーション)があり、さらにその下に土台としてスチールの枠組みが使われているというケースが多々あります。
その場合、必然的に少しベッドが高めになっているという事例があります。日米のホテルのベッドのサイズ比較については、また別のページも参考にして下さい。
多様な寝具
各国で寝具の好みが異なるため、同じホテルブランドでも国によって寝具が大きく異なる場合があります。たとえば、同じ「ヒルトンホテル」や「マリオット」チェーンでも、国によって納入されている仕様は異なっています。
ベッドメイクの違い
日本のホテルは戦後、米国のホテル業界の影響を大きく受けていますので、客室のベッドメイクのやり方も、米国のホテルの方式に似ています。
「デュベスタイル」に「ベッドスロー(ライナー)」といったベッドメイキング方法は、米国と日本によくみられる傾向です。
一方、ヨーロッパのホテル客室では、その方式も少し異なっています。
それは、チェックインして客室に入った瞬間にその違いが見てわかります。皆さんも今後機会があれば注意して見られてみては如何でしょうか。
インテリアに対する考え方の違い
日本では、昔から、建物の「外」と「中」はひとつという見方が多くありました。それは、日本では木造建築が多く、年数が経てば、建物丸ごと壊して建て替えるというのが一般的だからです。和風旅館の「外」と「中」は、障子一枚で隔てられていたりします。
一方、海外では、石造りの建物が多く、建物はそのままに、中の内装やインテリアだけをリニューアルして、建て替えることなく何百年も使う、なんていう建物も多く存在します。そのため、「インテリア」という概念が日本よりも独立して存在しています。
かつての日本のホテル業界では、このような、「インテリアも建物の一部」という観点から、建築全体の予算の中にインテリアやベッドの予算も入っている為、最初の基礎工事や躯体工事で予想以上の出費があると、最終仕上げともいえるインテリアにそのしわ寄せが影響し、折角のスイートルームが一般客室のグレードに格下げされてしまったり、ベッドのグレードも当初よりも下がってしまったり・・・ということもありました。
最近は現場の意識も改善されてきましたが、宿泊するお客の身体や肌に直接触れるベッドや寝具が格下げになってしまうなんて、接客業としては本末転倒かもしれません・・・。
どちらが良い?
ただ、日本と海外、どちらのベッドの寝心地が良いかは、やはり個人の好みによって異なります。基本的には、自分の国のホテルのベッドが最も良いという人も多いかもしれません。「寝心地が良い」というより「身体に合う」といった方が正しいかもしれませんね。
まとめ
日本のホテルと海外のホテルのベッドの寝心地は、国やホテルのグレードによって大きく異なります。旅行や出張の際、自分に合った寝心地のホテルを選ぶためには、事前に情報を収集し、比較検討することが大切です。
最後までご覧いただき有難うございました。
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◇ご参照 ホテル商品のご紹介
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和室ベッド デュベスタイル 旅館マットレス サータ
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