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泊まったホテル旅館のベッドは新しい?古い?
ホテルや旅館に宿泊した際に利用する、客室のベッドマットレス。快適な旅の睡眠を提供してくれます。でも宿泊した部屋のベッドマットレスがいつ頃納入されたもので、納入されてから何年経過しているか・・・なんてことはあまり一般のお客様は気にしたことがないと思います。
たとえ、そのホテル旅館のオープンした時期については大体のところ知っていても、(古い施設になればなるほど)、施設がオープンして経過した年月と、お部屋の備品が客室に納入されてから経過した年月は異なっているものです。それは、オープン後、客室の備品は常にリニューアルされるからで、たとえば、施設自体はオープン後、20年、30年と経過していても、客室のベッドマットレスは、その間に何度か新品と入れ替えされているのです。
では、そのベッドの入れ替えの頻度は大体どの程度なのでしょうか・・・。その舞台裏をみてみましょう。
ベッドの耐用年数
ベッドというのは、法定耐用年数としては8年となっています。
「法廷耐用年数」とは、固定資産の使用できる期間として、法的に定められた年数のことで、 国が「資産価値はこれくらいの期間でなくなる」と定めた期間を指します。
それは、減価償却費を決算書に計上するために必要となる指標ですが、実際の耐用年数とはまた異なります。実際の耐用年数は、物理的に耐えられる年数のことで、ベッドが経年によって劣化し、その役割を十分に果たせなくなる年数のことです。
ベッドマットレスを長持ちさせる方法
ご参考までに、ベッドのマットレスは、定期的に、前・後・裏・表などローテーションすると、より長持ちします。(これは家庭用のマットレスでも同一です)。大手ホテルの事例でいうと、シーズン毎や半年毎程度にベッドメイクのかたがメイキングの際にマットレスの向きを換えられるケースが多くなっています。
ホテルによっては、ベッドの表・裏の頭元と足元、計 x 4カ所に「春」「夏」「秋」「冬」や「1~3月」「4~6月」・・などのラベルを貼って、ローテーションの目安にされておられるホテル事例も多々あります。
長年使用されていると、どうしても、マットレスの同じ箇所に、宿泊されるお客様の体圧がかかりがちですので、どんな丈夫なホテルベッドでも、体圧のかかる箇所からヘタり易くなりますので、定期的にローテーションされているのです。
一方、ホテルや旅館では、備品の経年劣化だけでなく、建物自体の老朽化という問題もあります。一般的なホテルや旅館の建物の法定耐用年数は、鉄骨造29年、RC造39年です。普段のメンテナンスが行き届いていれば、さらに営業可能ですが、時代の流行や流れもあり、定期的なリニューアルが必要です。
いつリニューアルする?
ホテルや旅館で、ベッド・マットレスの入れ替えは、ホテルの改装・リニューアル工事の時期に合わせておこなわれるケースもあれば、単独で、ベッドの上・下セットだけ入れ替えたり、あるいは、上のマットレスだけを入れ替えたり・・・と、各施設の状況や、考え方によって、ケースバイケースで、さまざまです。
年数としては、(客室稼働率にもよりますが)、10年程度で交換される事例もあれば、4~5年で入れ替えされる事例もあったり、逆に10年以上の長きにわたって使用されている事例もあったりと、各ホテル旅館の状況によって、さまざまなのが実情です。
マットレスのヘタリ具合
もちろん、年数だけでなく、重要なのは、実際のヘタリ具合です。
マットレスのヘタリ具合は、なかなか目視だけではわかりにくいですが、ヘタリ具合を測るひとつの指標として、たとえば、マットレスの上に真っ直ぐの棒を渡してみると、ヘタリ具合がわかりやすいです。
高級ホテルのベッドマットレスは、家庭用のベッドと比較して、特に耐久性の面に力を入れた設計となっていますので、市販の家具店・ホームセンター向けのベッドマットレスよりも基本的に長持ち設計ではありますが、それでも限度はあります。特に不特定多数の、色々な体型の、色々な使い方のお客様が宿泊されますので、いつかは交換の時期がやってきます。
最近の傾向
最近のホテル旅館業界では、某ホテルが、某ホテルを買収して、古い建物を改装・リニューアルしたり、リブランドしてオープンされる事例も多くみられます。
あるいは、最近は、老舗の和風旅館が、伝統の和のテイストを継承しながら、リニューアルして、ベッドやマットレスを導入して、和モダンなラグジュアリーホテルに装いを新たにするというケースもあります。
また、一般客室を改修して、スイートルームにして、ホテルのブランド力を高めたり、新たな客室を増設される事例もあります。
ベッドの入れ替え方法
一度に全館リニューアルという事例もありますが、リニューアル工事やベッドの入れ替え作業は、各ホテル旅館の長期的な見通しから、また、営業中のホテル旅館は、できるだけ営業に支障が出たり、営業をストップすることのない様、継続的に、段階的にリニューアルされます。
たとえば、多い事例としては、ワンフロアずつリニューアルするという事例です。特に大型のホテルになればなるほど、工事は大掛かりになりますので、なるべく営業に支障をきたさない様に、少しずつリニューアルしていくという方法で、何期かに分けてリニューアルします。
「静寂」が重要な要素であるホテル旅館で、工事をおこなったりベッドを入れ替えたりという作業は、結構な騒音が出たり、工事関係者が出入りしますので、宿泊されるお客様にとっては耳障り・目ざわりになったりしがちです。
宿泊されたホテル旅館で、こんな表示をみたことがありませんか・・??
ベッドマットレスが入れ替えされている時間帯は?
ベッドマットレスは大変大きな荷物です。バックヤード経路だけを利用して搬入・搬出が出来る場合は良いのですが、施設を営業しながらの入れ替え作業ですので、お客様の目に触れる経路を使って作業する場合は特に注意が必要です。
入れ替え作業は、お客様の多くがチェックアウトされる時間、午前10時頃からおこなわれ、夕方のチェックイン時刻までに完了しなければなりません。
まとめ
ホテルや旅館が大掛かりなリニューアル工事をされた場合は、「全館リニューアル工事完了!」というPRをなされるホテルや旅館が多いですから一般のお客様もリニューアルされたことに気付くのですが、ベッド・マットレスだけリニューアル、入れ替えされた事例の場合、ホテル旅館側が対外的に特にはPRしないことの方が多いですので、宿泊に来られたお客様は、そのベッドが、長年使われてきたベッドであるのか、あるいは、リニューアルされたばかりの新品のベッドであるのかは、中々わかりません。そもそも、そこはあまり一般のお客様は気にされない舞台裏でもあります。
ホテル旅館のベッドというのは、沢山の色々なお客様がこれまで寝てきているベッドですから、無意識的に、そこは敢えて気にしたくない部分でもあるかもしれませんね。
もちろん、業務用の高級ホテルベッドは、あらかじめ不特定多数のお客様が泊まられることを想定して設計されていますので、色々なお客様が長年寝られていても、まったく問題はなのですが、でも、もし宿泊されたホテル旅館のベッドが、ちょうど入れ替えされたタイミングで新品の状態であったとしたら、ラッキーかもしれませんね。
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◇ご参照 ホテル商品のご紹介
ホテル ベッド ホテルシーツ 羽毛布団(ホテルベッドカバー) ホテル枕
和室ベッド デュベスタイル 旅館マットレス サータ
大きいサイズのマットレス ベッドスロー ホテル バスローブ
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