皆さん、ベッドのブランドというと、どんなブランドを思い浮かべますか??
ベッドの本場、米国では、「サータ(SERTA)」というブランドが、その実力・知名度ともにナンバーワンといっても良いでしょう。アメリカ国内で7年連続売上No.1実績も獲得した名実ともにトップブランドです。
サータ社は、1931年から、快適な眠りと健康を追求し続け、世界27か国60社近い会社とライセンス契約を結んでおり、サータのベッド・マットレスは、今や世界中で使われています。本日は、この「サータ」について、みていきたいと思います。
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サータの歴史
では、サータの歴史を少しみてみましょう。
米・サータ社は、もともと、米・イリノイ州シカゴ郊外の、ホフマンエステーツが拠点のアメリカのベッドメーカー。
日本での知名度は、米国内ほどではありませんが、米国内では、誰もが知っているブランドで、かつて、トランプ元大統領がサータのテレビCMに登場するほど有名です。
サータの前身は、1931年にイリノイ州で「Sleeper Inc」として、サータの名前をライセンスした13のマットレスメーカーによって設立されました。その後、8つの独立したライセンシーが会社を所有。その後、最大のライセンシーである「National Bedding Company」によって「サータ インターナショナル(Serta International)」が誕生しました。
サータの、ゆるキャラといえば?
「サータ」といえば、イメージキャラクターの「羊(カウンティングシープ)Counting Sheep」が有名です。
一般的に「Counting Sheep」というと、昔から、「眠れない時に羊の数を数えて、眠ろうと努める」ことで、頭の中で、羊を数えているとウトウト眠くなる、というものですが、「羊を数えなくても眠れるほど、サータのベッドは寝心地が良い」という意味で、サータでは、昔から、この「Counting Sheep」がキャラとして使われています。
この可愛い羊のキャラは、イギリスの「Aardman Animations」という、「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」等のシリーズでも有名な制作会社によってアニメーション化され、2000年に最初に作成された「Counting Sheep」の広告キャンペーン等でも有名になりました。
サータの本社
サータの本社の建物は、スタイリッシュなデザインで、かつて、工場デザインを対象とした「世界建築フェスティバル」(World Architecture Festival)での受賞対象となる予選通過リストに名を連ねるという、アメリカの企業にとっては稀な偉業も成し遂げるほどでした。
ちなみに、下記の動画CMでは、その時の本社の建物がCGで登場しています。
(現在は本社移転の為、同建物はメディカル系の会社が所有しています)
サータのテレビCM
それでは、「カウンティングシープ(Counting Sheep)」がサータのイメージキャラクターとして誕生するよりも以前の、サータの古いCMをいくつか見てみましょう。
かなり年代を感じさせるCMですね。
ちなみに、出演している女優は、スーザン・アントンやジョーイ・ヘザートン。
スーザンアントンは、当時、全米でポスター売上げがファラ・フォーセットに次いで2位という人気女優でした。
(筆者の父(渡辺克幸)は、昔、米国サータ社との会合に出席し、スーザン・アントン本人と直接会う機会があったそうですが、父は、身長180cm以上と、昭和ひとけた生まれとしては高めの身長でしたが、スーザン・アントンと並ぶと、ほぼ同じだったそうです。)
ジョーイ・ヘザートンも、アメリカで有名な女優で、バラエティ番組の出演者として多くのテレビ出演でよく知られています。
サータの高級ホテルへの納入実績
ベッド工場の製造ラインには、家具店やホームセンター向けに流れる個人向けの(ホームユース向けの)製造ライン(ラインナップ)と、業務用・プロ仕様(ホテル向け)に流れる製造ライン(ラインナップ)があります。
その内、後者の「高級ホテル市場向け」のラインナップは、これまで、たとえば、ラスベガスの有名ホテル群やハワイのハレクラニ、ロサンゼルスのビバリーウィルシャー、今話題のトランプタワー、ニューヨークのウォルドルフアストリア・・・等など、米国の有名ホテルの大部分に納入されています。
海外見本市でのサータ
海外では、インテリアの国際的な見本市や、ホテルの国際的見本市が定期的に開かれています。
たとえば、米・ラスベガスで開催されている「HD Expo (ホスピタリティデザイン見本市)」や、ニューヨークで開催されている「ザ・ホテル エクスペリエンス(国際ホテル & レストランショー)THE HOTEL EXPERIENCE / Rooms to Restaurants (ニューヨーク))」など・・・
このような国際的な見本市でも「サータ」は大活躍しています。
米国ベッド業界の再編の動き
ちなみに、「サータ」・「シモンズ」・「シーリー」の三つが、米国では三大ベッドブランドといわれています。全て頭文字が「S」で始まるので「3S」とも呼ばれています。その中でも、ホテルの業界で昔から最もシェアが高く、数多く採用されているのが「サータ」のホテルベッドです。
現在では、米・ベッド業界では再編がおこなわれ、業界第一位の「サータ」と第二位の「シモンズ」が、ひとつの会社としてタッグを組む形で、「サータ シモンズ ベディング(Serta Simmons Bedding)」として、更に飛躍発展し活躍しています。
これまで、ヒルトンホテルやリッツ・カールトン、マリオット、ハイアットなど・・・高級ホテルの市場に納入実績があり、これまで長年、全米シェア第一位を誇る「サータ」と二位の「シモンズ」がタッグを組んだことで、北米最大のベッドメーカーとなったのです。
(「サータ」の名称が「シモンズ」よりも前になっていることからもおわかりの様に、実際のところ、「サータ」が、苦境に陥った「シモンズ」を手助けする形で合併したといいます。)
現在、もともとゼネラル・モーターズ工場のあったジョージア州アトランタ郊外 Doraville 敷地内に、500人の従業員を擁する本社を建設しオープンしています。
また、サータは、オンライン小売業者のTuft&Needleとも合併しました。
https://www.tuftandneedle.com/
今後、ますます「サータ」の活躍に期待したいですね。
日本国内でのサータ
この有名な「サータ」ですが、日本市場ではどうなっているのでしょうか??
もちろん、日本国内へも「サータ」は進出しています。
そもそも、ベッドのマットレスやボトムというのは、とても嵩張る荷物ですよね。もし米国で製造して日本にそのまま輸入すると、莫大な運賃がかかりますし、また、それ以上に、ベッドの寝心地というのは、その国、その国によって、生活習慣や文化、伝統、体形その他、色々な要素によって、要望されるものが少しずつ異なります。海外のホテルに泊まって、日本のホテルと比較して、寝心地が柔らか過ぎる・・・等と感じたことはありませんか?
やはりベストなのは、その国向けには、その国その国でベッドや寝具が設計して作られるのが最適といえるでしょう。そのため、「サータ」という、米国のベッドの最高技術と品質水準の寝心地を維持しながら、さらに日本人向けに設計・改良されてきたのです。
日本市場向けとしては、米国「サータ」は、広島にある、もともと高水準のベッドを長年にわたり日本国内で製造し続けてきた実績のある「ドリームベッド(株)」とライセンス契約を締結し、この工場で一手に「サータ」のベッドを製造しています。
ドリームベッドという会社は、「サータ」だけでなく、自社ブランドやフランス「ロゼ」などのソファなどもライセンス生産していますので、ドリームベッドは、「サータ」を冠した会社にはなっておらず、あくまで「ドリームベッド」ですが、「サータ」との関係からみた位置付けとしては「サータ・ジャパン」といえるでしょう。
(筆者も、もともとここ(ドリームベッド)の人間で、これまで、米・サータの本社を訪れたり、海外見本市等でもサータの担当者と会ってきましたが、当初のサータとドリームベッドのライセンス契約時は1979年で、私はまだ学生時代でした。当時、私の父の弟である叔父(渡辺博之)がドリームベッドの社長として米国サータ社に赴きました。当時シカゴ郊外のサータ本社から歓迎を受けて、シカゴのアリーナで、NBA・シカゴブルズの試合を最前列で観戦させてもらったとか。当時は、あのマイケルジョーダンがまだ新人時代・・・)
サータの家庭向け?ホテル向け?
ちなみに、サータ工場の製造ラインには、大きく分けて、家具店・ホームセンター向けに流れている(ホームユース向けの)製造ライン(ラインナップ)と、業務用・プロ仕様(高級ホテル市場向け)に流れている製造ライン(ラインナップ)のふたつがあります。
前者は、文字通り、家具店・ホームセンター向けに大量生産されて常時流れているラインナップで、後者は、高級ホテル市場向けに、各ホテルがオープンするその都度、あるいはリニューアル工事がなされる都度、受注生産という形で製造・納入されているラインナップになります。
(家具店・ホームセンター向けのサータは、たとえ売り場で「ホテル仕様」と謳ってる場合でも、実際に高級ホテル市場向けに流れている仕様とは異なっていますのでご注意下さい)
サータの商品ラインナップ
それでは、最後に、「サータ」の日本国内でのラインナップをみてみましょう。
前述の「家具店・ホームセンター向け」については、サータ国内のホームページや、各家具店・ホームセンター等のページでも紹介されていますので、ここでは割愛させて頂き、ここでは後者の「高級ホテル市場向け」のラインナップをいくつか紹介いたします。
- ポケット標準タイプ
大手ホテルの一般客室向けに最も多く納入されているモデルです。表面に「ピローソフト仕様(片面or両面)」をプラス出来ます。
- ポケットハードタイプ
こちらも大手ホテルの一般客室向けに多く納入されています。「標準」よりも少し硬めになります。表面に「ピローソフト仕様(片面or両面)」をプラス出来ます。
- ライトブリーズピローソフトホテル
大手ホテルのスイートルーム向けグレードの最高級ホテルベッドです。オールスイートがコンセプトの高級ホテルでは全室に納入されている事例もみられます。
- パーフェクトスイート
「ライトブリーズピローソフトホテル」と同様、大手ホテルのスイートルーム向けグレードの最高級ホテルベッドです。立体ピローソフト仕様で、雲の上の寝心地を実現しています。
- グランドプレミアムホテル
「グランドプレミアムホテル」は、トランプタワーをはじめ、世界の最高級クラスの五つ星ホテル (さらには七つ星ホテル) 向け、しかもスイートルームのみを対象に設計されたハイエンドなモデルです。
以上の様に、ホテルのグレード、客室のグレード、各ホテルのコンセプト等によって、差別化できる様、複数のラインナップが用意されています。ぜひ、ご家庭向けとしても、ご検討なさってみては如何でしょうか。
最後までお読み頂き有難うございました。
↑ サータ日本工場(ドリームベッド)創業者 渡辺礼市 胸像(筆者祖父)
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◇ご参照 ホテル商品のご紹介
ホテル ベッド ホテルシーツ 羽毛布団(ホテルベッドカバー) ホテル枕
和室ベッド デュベスタイル 旅館マットレス サータ
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