日本全国の観光地では、これから外国人観光客の増加が見込まれています。
「インバウンド」という言葉をお聞きになられたことはありませんか?
これはどういう意味でしょうか・・・。
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インバウンドとは?
新幹線に乗って、車内の英語アナウンスで、「・・・This train is bound for Tokyo・・・」と言っているのを聞いたことがあるかもしれません。
ここで言う「bound」とは、「~行きの」という意味です。この「bound」の前に、方向を表す「in」の付いた単語が「インバウンド(inbound)」です。
つまり、この「インバウンド」とは、「外から中に入ってくる」という意味で、旅行業界で、「日本に訪れる外国人」の意味で使われています。
国土交通省観光庁では、「訪日外国人消費動向調査」を常におこなっていて、「インバウンド観光の現状と動向と課題」などの資料も公表しており、国の施策として、観光立国推進計画として、インバウンド増加の目標を設定しています。
また、単に旅行業界だけでなく、日本の高齢化と少子化の同時進行により、内需が減り、このインバウンドに期待している業界がたくさんあるのです。
ちなみに、インがあればアウトもあり、「アウトバウンド(outbound)」とは、日本人が海外へ行くことを意味します。
では、そんな、海外からの旅行客をお迎えするには、はたしてどんなインテリアが好まれるでしょうか・・・
海外からのお客様を迎える側の、ホテル旅館側の立場に立って考えた場合、また、個人宅などでも、海外から来られた賓客を招き入れる場合、どんな寝室が理想でしょうか・・・?
体感できる地元文化
たとえば、私たち日本人が海外に出掛けた際のことを想像してみましょう。宿泊先の欧米のホテルで、室内のインテリアが日本風であったとしたら・・・?
それはそれで、使い勝手の面などからしたら、有難いかもしれません。でも、海外に旅行する場合、その国の文化に触れるのが楽しみでもあり発見でもあります。少々不便でも、その国を体験するという旅においては、日本人向けに日本風になっているよりも、その国らしいインテリアになっている方が、旅しているという気分に浸れませんか?
日本を感じるインテリア
それと同様に、海外のお客様が旅行で来られた際、泊まったホテル旅館の客室のインテリアが、その人の家庭と同じようなインテリアであったとしたら・・・。それはそれで、歓待の気持ちを感じて頂けるかもしれませんが、日本の文化を感じて頂くことは出来ませんよね。
もちろん、ホテル旅館などの宿泊施設は、日本人自身にとっても、普段いつも触れているわけではない非日常空間ですので、インバウンドを迎えるホテル旅館の客室空間としては、日本文化を非日常空間として洗練して昇華したものであることが理想です。
やはり、日本の宿泊施設に泊まられた場合は、日本を感じながらおやすみ頂きたいものです。
ビジネス客向けにも
また、海外から来られる外国人の中には、観光客だけでなく、ビジネス客もいらっしゃいますので、ビジネス客にとっては、ホテルでは、日本の文化を体感するという前に、ゆっくりとくつろげる空間であることの方が第一かもしれません。
以上のようなことから、宿泊施設のハード面としてのインテリアは、日本文化を感じて頂ける、洗練されている、くつろいで頂ける、という要素が大切になってきます。
その上で、各施設のソフト面としての人的なサービスが加われば、海外からのお客様にもご満足を頂ける空間を提供することが可能になります。
インバウンド向けインテリアの具体的事例
それでは、最近の、海外からのお客様を迎えるためのホテル旅館の客室空間の事例をいくつか見てみましょう。
ホテル旅館事例1.
これは、和風の作りの空間に、ベッドの上下セットを設置して、「デュベ」と「ベッドスロー」でベッドメイクして、頭元に「ペアピロー」を置いたツインルームの事例です。デュベは「足元を巻き込まないタイプ(横入れ式のデュベ)」で、ベッドスローは「和装紺」というお色柄です。「和」の中にも、ベッドという少し高めの生活空間と、デュベ・スローという「洋」のホテルのイメージを取り入れた、和洋折衷スタイルになっています。
ホテル旅館事例2.
これは、もう少し明るくモダンにした客室で、デュベは高級ホテルでも大人気の「白ストライプ」ですが、ベッドスローとクッションは「飛鳥レッド」という、やはり和風のお色柄です。
ホテル旅館事例3.
これは、デュベが「足元を巻き込むタイプ」で、ベッドの下部のボトムはボックススプリングボトムでなく、板状のフレームにマットレスをのせたものですので、下部にクッション性はありません。ベッドのサイズはキングサイズで、ダブルルーム仕様です。
通常のホテルのベッドの上下セットよりも少し低い就寝位置ですので、より和に近い空間といえるでしょう。
ホテル旅館事例4.
先ほどはキングサイズで、ベッドもデュベもスローも大きな一枚物仕様、一本物仕様でしたが、こちらはセパレートで、それぞれのベッドをメイクして、密着させています。ただデュベやベッドスローは、ベッドの左右両サイドに約30センチ程度ずつ垂れる仕様ですので、このベッドメイク方法は、ベッドとベッドの間に若干の隙間は必要になります。
ホテル旅館事例5.
ちなみに、通常の旅館のお布団形式ですと、こんな感じですが・・・
ホテル旅館事例6.
これを、ベッド向けのスタイルにして、背を高くすると、こんな感じになります。
ホテル旅館事例7.
これなんかもそうですね。日本ならではのベッドメイクのスタイルです。
ホテル旅館事例8.
ただ、最近人気が高いのは、やはり「デュベスタイル」です。外国人観光客の受けも良い様です。
ホテル旅館事例9.
デュベスタイル(デュベ+ベッドスロー)というベッドメイキングが、インバウンド向けとしても主流になっています。
ホテル旅館事例10.
客室に浮世絵を飾られている事例もあって、まさに、インバウンドを意識されたインテリアといえるでしょう。
まとめ
これからますます活発化するとみられている外国人観光客の増加。
受け入れる側としては、あくまで、観光客目線で、外国人客目線で、ホテル旅館の客室や、賓客を迎える寝室のインテリアにおいても、ホスピタリティ精神をもってインバウンドをお迎えしたいものですね。
もちろん、一番大切なのは、お迎えする側のソフト面・サービス面ですので、あたたかい人的なサービスが合って、初めて、インテリアも活かされるというものです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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