一口に「ホテル」といっても、高級ホテル、外資系ホテル、五つ星ホテル、七つ星ホテル等の超高級ホテルもあれば、一方で、ビジネスホテルや簡易ホテル、駅前旅館・・・まで、種類・タイプはさまざまですよね。
ベッドを作っているメーカーの中でも、軒数の多いビジネスホテル系のホテルに数多く納入して”シェア一位”と謳っているメーカーもあれば、逆に、大手ホテルや高級ホテルをメインにして多く納入している高級志向のベッドメーカーもあります。本日は、主に後者の、高級ホテル向けのベッドのラインナップについてご紹介したいと思います。
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ホテルの差別化のために
実は、一昔前は、ホテルのベッドといえば、高級ホテルも駅前ビジネスホテルも、同じ仕様のベッドやマットレスが納入されていた時代がありました。にもかかわらず、当時、宿泊した人の声の中には、そのホテルの格式や客室の雰囲気や先入観等の要因によって、「〇〇ホテルの寝心地は良かった」「△△ホテルは寝心地がいまいち」・・・等という感想があがっていました。これは旅先での一種のマジックですね。
ところが、現在では、宿泊者の寝具に対する見方も変わり、より洗練され、客室の雰囲気だけでなく、本当に寝心地の良いベッドが求められる時代となり、「ホテル用ベッド」という十把一絡げではなく、ホテルのランクによって、あるいはコンセプトによって、あるいは、同じホテル内でも、客室グレードによって、フロアによって、ベッドのタイプを差別化して、寝心地にも差をつける時代となってきています。ホテルのベッドにも色々な種類が出てきています。
ベッドは旅の目的地
最近では、たとえ、同じひとつのホテルの建物内でも、一般客室とスイートルームでは、納入されているベッドやマットレスが異なっていたりします。客室を差別化する手段のひとつに寝心地が使われています。ベッドの寝心地が、そのホテルの、その客室の、PRポイントのひとつにもなっているのです。
よく、高級ホテルでは、「ホテルは旅の目的地」などという言葉も使われますが、さらにいえば、「(ホテルの)ベッドは旅の目的地」ともいえるのです。
旅館の差別化にも
さらに、最近は、ホテルだけでなく、高級旅館でも、ホテルのマットレスが採用されている事例が多々あります。和室のタタミや板張りの上に、布団ではなくマットレスを置いてベッドメイキングしてある事例です。
やはり、旅館に宿泊されるお客様達も、普段、自宅ではベッドに寝ておられるかたが多い時代ですので、こと「寝心地」という意味では、やはり、お布団だけでは、ベッド・マットレスの寝心地には敵いません。また、旅館の運営側からしても、布団を上げ下げする作業よりも、ベッド・マットレスの方が、寝具メイキングの作業の負担が軽減されるというメリットもあります。旅館の差別化にも、ホテルのマットレスが一役買っているのです。
それでは、リーゾナブルなランクから最高峰のランクまで、簡単に紹介していきたいと思います。
(詳細仕様までご紹介すると、かなり細かくなり行数もスペースも足りませんので、今回は、ザっと各概略をご紹介してゆきます。)
ポケット標準タイプ
まず最初に、高級ホテルに最も多く納入されているモデル「ポケット標準タイプ」をご紹介します。
納入事例としては、これまで、ニューオータニ、リーガロイヤル、御三家ホテル、大手不動産系ホテル・JR系・電鉄系ホテル・・・その他、多数のホテルに納入されています。
◇ピローソフト仕様(マットレスオプション)
ホテルによっては、また客室によっては、マットレス表面のオプション仕様として、「ピローソフト仕様」がプラスされる場合があります。
ピローソフト仕様は、マットレス表面にソフト感・ボリューム感をアップさせるスイートルーム仕様で、「片面仕様」と「両面仕様」があります。
この「ピローソフト仕様」については、別途、ページをご覧下さい。
◇ヘルシーエアレット
ホテルのマットレスに大切な要素の一つが「通気性」です。ホテルマットレスの周囲には、四方に「エアレット」という仕様が施されています。マットレス内部にこもりがちな湿気を寝返り時におこる微妙なサスペンションの上下動で呼吸するように周囲に放出する役割を担っており、マットレスの内部を常に快適に保ちます。
ポケットハードタイプ
次にご紹介するのは、こちらも、高級ホテルに多く納入されているモデル「ポケットハードタイプ」です。
納入事例としては、ヒルトンホテル、ロイヤルパーク、TDL界隈ホテル、各航空会社系ホテル、各外資系ホテル・・・その他多数です。
◇「ポケット標準タイプ」と「ポケットハードタイプ」の違い
ちなみに、上記の「ポケット標準タイプ」と「ポケットハードタイプ」の違いについて簡単に説明しますと、マットレスの中のコイルの配列方法が異なっています。標準タイプの方は基本的に並行配列となっており、ハードタイプの方は交互配列となっています。コイルを交互に並べておりますので、それだけコイル数も多く密度が高い為、少し硬めになっています。
一般的に、実際のホテル客室で多く採用になっているのは、どちらかというと「標準タイプ」の方で、一方、個人邸向けの場合は、「ハードタイプ」の方が人気が高くなっています。
ただ、決してどちらがグレードが上というわけではなく、実際のホテルでは、各ホテルのコンセプトや担当者や支配人等の意向や予算等によっても状況が異なっており、たとえば最近の例でも、ニューオータニやリーガロイヤルホテルに「ポケット標準タイプ」が納入され、ヒルトンホテルに「ポケットハードタイプ」が納入されたり・・と同じ程度のグレードのホテル様でも異なるタイプが納入されていますので、特にホテル自体のグレードには関係なくベッドの仕様は選ばれています。
「ポケットハードタイプ」の方が若干単価が高くなっていますので、ホテルの場合は、一台の価格差が x 客室数ですので、合計での価格差がかなり大きくなりますので、予算的にも「標準タイプ」に決まるケースがどちらかというと多くなっていますが、個人邸向けの場合は、お好みにもよりますが、特に腰の悪いかたを中心に「ハードタイプ」の方が多く出ているという状況となっています。
ライトブリーズピローソフト
次にご紹介するのは、高級ホテルの、主にスイートルーム向けに新開発された「ライトブリーズピローソフトホテル」です。
その凄さは五つ星の高級ホテル客室で実証済みです。重厚感のあるベッドながら、通気性が高く、圧迫感の少ない、しっかりした寝心地のベッドで、最新素材「Breath Fort (ブレスフォート)」を搭載した最高級のホテルベッドです。
納入事例としては、各高級ホテル内のエグゼクティブフロアやスイートルームクラス等の、限られた客室です。(但しホテルオークラ東京やハレクラニ沖縄など「オールスイート」がコンセプトのホテルでは、全室に納入されている場合もあります。)
一番荷重のかかる腰臀部に少し太めの線径2.0mmコイル(通常1.9mm)を配置し補強することでバランスの良い荷重分散と耐久性アップを実現しています。腰掛けるケースの多い両サイド2列にも、線径2.0mmコイルを配列して補強することで腰掛けた時の落込みを防いでいます。さらに、ピロートップ内のブレスフォートが、体をやさしく包み込みながら、底づき感のない安定した寝姿勢を保ちます。
ピローソフト仕様が「有りの面」でも「無しの面」でも、どちらの面でも寝ることが可能ですので、二種類の寝心地で使えます。
パーフェクトスイート
次にご紹介するのは、米・ラスベガスのベラージオやヴェネチアン等の高級ホテル群や、ハワイのハレクラニ、ロサンゼルスのビバリーウィルシャー、ニューヨークのウォルドルフアストリア・・・等々、名立たる高級グレードのホテル市場向けの最高級モデルです。
6.8インチの樽型ポケットコイルを使用。詰め物は、圧倒的な通気性と耐久性を持つ「Breath Fort (ブレスフォート)」。マチ高のあるピローソフトで、体を優しく包み込みます。通称、「雲の上の寝心地」と言われる所以です。
立体ピローソフト仕様が「有りの面」でも「無しの面」でも、どちらの面でも寝ることが可能ですので、二種類の寝心地で使えます。
グランドプレミアムホテル
最後にご紹介するのは、米・トランプタワーをはじめ、世界の最高級クラスの五つ星ホテル(さらには七つ星ホテル)向け、しかもスイートルームのみを対象に設計されたハイエンドなモデル「グランドプレミアムホテル」です。重厚感・ゴージャス感の溢れる、空前絶後の仕様。これは、世界中のどんなホテルのベッドと比較しても、間違いなく、最高峰のホテルベッドマットレスです。
コイルは、7.7インチ高の円筒形ポケットコイルを採用し、きめ細やかなサポートを実現しています。荷重のかかる部分に、少し太めの線径1.5mmのコイル(通常1.3mm)を配置し補強することでバランスの良い荷重分散と耐久性アップを実現しています。さらにピロートップ内のブレスフォートや高反発ウレタンの絶妙な組合せで、体をやさしく包み込み、よりソフト感を追求したマットレスです。
立体ピローソフト仕様が「有りの面」でも「無しの面」でも、どちらの面でも寝ることが可能ですので、二種類の寝心地で使えます。
◇ブレスフォート
ちなみに、上位の x 3モデルに搭載されているマットレスの詰め物に「ブレスフォート」があります。これは、低反発より通気性が高く、耐久性も高いという最新素材です。
連結・ジョイント仕様
余談ですが、ホテルのマットレスの大きな特徴として、2台・3台・・のマットレスを「連結・ジョイント」できる仕様があります。詳細については、こちらをご覧下さい。
「ジョイント仕様」の場合、複数のマットレスをジョイントすると、大きなひとつのベッドマットレスとしても使えますし、ジョイント部は簡単に着脱可能ですので、ジョイントを外せば、別々のベッドマットレスとしても使えますので、「ダブルルーム」から「ツインルーム」や「トリプルルーム」や「フォースルーム」等への転換が簡単に可能になります。
まとめ
如何でしたでしょうか。皆さんがこれまで宿泊されたホテルの客室のベッドマットレスも、上記の中のどれかだったかもしれませんね。ホテルのベッドマットレスは、ご家庭にも導入可能です。ご自宅の寝室にも、高級ホテルと同じベッドマットレスの導入を検討されてみては如何でしょうか?
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◇ご参照 ホテル商品のご紹介
ホテル ベッド ホテルシーツ 羽毛布団(ホテルベッドカバー) ホテル枕
和室ベッド デュベスタイル 旅館マットレス サータ
大きいサイズのマットレス ベッドスロー ホテル バスローブ
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